2016年10月12日水曜日

飛び太君との邂逅

ときにハエが飛ぶ。
どこから来るかは、だいたい想像がついている。
空き缶入れのボックスから出てくる。
わが愛好の発泡酒の残滓を栄養に、この世に生を受けて飛来するのだ。

今日も、わがテーブルに飛来した。
このところ、優しく応対するのを旨としている。
一茶ではないが、手を擦る足を擦るを観察するのが楽しい。
歌心はないので、句ができることはないが、かわいい。

今日の仔には、名前を「飛び太」と名付けた。
飛び太と呼び、邪慳にしないと、あらあら面白い、寄って来る。
寄ってくると、更にかわいいので、おいでおいでと声をかけると、一生懸命足と手を擦っている。
そのうち飛んで行ったが、しばらくすると、再び飛来して、わが腕にとまった。
テンダーな対応は、まちがいなくみとっている。

今まで、これほどなついたショウジョウバエ風はいないが、いつの間にか発生し、いつの間にかいなくなる。
寿命を全うし、掃除機に吸い取られるのか、ワンコらのおやつになるのか、まあリーゾナブルなうちの生態系の一部にはなっている。

特に仏教的な生命道学者にもならず、某教授のように研究材料にして大量に虐待虐殺するわけでもなく、斯くして一期一会を楽しんでいる。
福岡伸一教授や養老孟司教授の言うがごとく、わがおじいちゃんの生まれ変わりかもしれぬ小飛行体。
実に精巧にできていて、生物はみなすごい。

そういうことを再確認した、ささやか体験である。

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