ご近所のご夫婦が、大根や白菜を干している。
藤棚風の蔓の巻きついた風景も、消えた。
葡萄の棚なのだが、きれいに裸になっている。
春夏には元の姿に戻すのだろうが、どうするのかと聞いてみると、また芽が出て蔓が巻き始めるのだという。
棚の骨格だと見間違えていたが、太い枝だったのだ。
人々は、淡々と冬支度に精を出して、越冬に向かっていく。
特に冬構えに精を出す対象を持たぬ自分のような人間でも、大層なものではないが、ああしてこうしてなんぞとシミュレーションに余念がない。
大きな時代変化や天変地異などを脳裡に浮かべはしても、できることはこのようにいつものごとく季節に合わせて順化していくことだ。
ささやかでさりげないものの、一番の基本である。
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