2016年10月30日日曜日

雪午睡

何の不具合か、軽い頭痛で午睡の力を借りる。
早寝早起きの老人パターンのつけが出たのか。
ドメスティックアニマルのわが生活には時差ぼけ調節の負担はないが、どんな暮らしにもちょいとした警告現象は出る。
そういう対処も死命がかかる。

身体の教えで、吉本ばななの「身体はなんでも知っている」を思い出した。
わが認識では、なんでも知っているわけではないが、身体の訴えは十分に耳を傾けるべき天の声と思っている。

眠りから覚めて、雪の庭に出る。
チャンチャンコだけではたらず、さらにダウンジャケットを羽織る。
小雪がちらつくだけでなく、小さな北風もふきはじめている。

明日は、月末だ。
宅配のチラシが2通。
ひとつはピザの宅配。
美味しそうなレシピに目を奪われ、捨てずに保存。

もう1通は、宅配業者の食材その他のケタリングサービス。
こんな時代になれば、大きなニーズ、サービス合戦の場だ。
通販の配達タイムキーピングがいい加減だとたしなめても直らぬので使ってない業者だが、ほれみろ俺の云った通りだろう。

チラシではないが、近くの空き地に大きなセレモニーホールがまたひとつ生まれる。
年金詐偽の維持や、引きこもりで親の葬儀も出さずに死体遺棄で立件される人々も珍しくないが、大半の人間はそんなことでお紐にかかりたくないので、形だけでも弔う。
考えてみれば、カラオケだって空地空室利用であるように、セレモニーホールだって、仮に直葬だってタダでなければそれなりの商売にはなる。
近所は、こんな終活産業の施設が乱立しており、この時代の一面を知る。

月末最後の日曜日も夕暮れに向かっている。
黄昏のアカネ色はとってもきれいだ。

ときどき観る「ソイレントグリーン」の中で、大型スクリーンとハイファイ音楽のもとでの安楽死を依頼して老人が逝くシーンが出てくるが、そんな業者にたよらなくとも、自然の黄昏はもっと素敵だ。

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