2016年9月23日金曜日

竹光を磨く

昨日の伊集院光氏の「らじおと」のゲストは、佐藤B作氏だった。
鼎談で、やはり秀でた俳優は、時代劇で刀を腰に差して演じると、抜けばすごい名刀だろうなという感じが出せると話していた。
巨匠黒澤明監督が、演出で拘泥したのは、そのような質感、「リアリティ」だ。

これは演劇のような芸事だけの話ではない。
職人は道具を大事にする。
仕事は道具を使ってのことだから、神棚に上げておいても意味はない。
ちゃんと使える状態を維持する。
そういうことも職人の能力、実力である。

この頃やっと気づいたことだが、家事その他の日常茶飯事で、ツールをうまく、大事に使えないところでは、必ずといってぼろが出る。
出来上がる作品と道具の間には、必ず連関性があり、コツがわかっていないと、そこがネックになり、もうひとつの結果となる。
料理をこがせば、フライパンもこげ付きで次回の料理が困難になる。
仕込み、火加減、時間、味見、ポイント凝視、なにかがわかってないと、すぐにボロボロになる。

ところで、わが生活のハブのひとつに、通信その他の交通手段がある。
これも常に磨いておかないと、ダメ出しの羽目となる。

モバイル端末の調子チェック、充電、通信環境の干渉排除、セキュリティその他もろもろ、なにか手抜きで失敗すると通信不能に陥る。
毎日のように、点検、充足をはかる。

ほとんどが、シミュレーション、テストばかりで、滅多に業務に供することはない。
全体の繁忙度や質も、抜けば切れる名刀の必要はない。
そこを間違うと、己への凶器ともなり得る名刀を振り回して、自分の足を切ってしまうような悲喜劇を演じかねない。
竹光を磨いて、武蔵のように遁走や退却を選んで、負けない勝負を指向する程度が、自分にはいいように思っている。

ということで、いまもPCにエネループをつなぎ充電しながら、通信ドングルやSIMなしスマホを揃えて、外回りの準備をしている。
さらに無料ファックスのサービスで、固定端末の受信能力をチェックしたり、買い物のプライミングに冷蔵庫チェックに励んだり、マルチタスクで動いている。

養老大先生が説かれる、手入れはホンに大事である。

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