2016年9月26日月曜日

黄昏の兪悦

ラーメン屋の亭主は、60過ぎでセミリタイアを目指し、仲間と組んだバンドで老人施設の慰問を愉しむ。
嫁は、娘夫婦がくれたラーメン屋改造期間のサバティカルをうまく楽しめない。

旦那のおやじバンドに弁当を持ち込みマネージャー風を演じようとして迷惑がられ、家を出た息子夫婦のおめでたに家事を手伝ってやるのだと発心して、嫁に忌避される。
里の姉妹たちの家庭の事情に首を突っ込んで、これまたノーサンキューを言い渡される。

おやじはサバティカルを趣味の深化とセミリタイア生活のプライミングにうまく利用し、おかみは一種の空の巣症候群に追い込まれて、最後はラーメン屋人生への復帰で、己のテーマを全うしようと人生をリセットする。

世は騒々しくせわしないが、うまく人生のテイパリングやリセットする見込みを持てる人々には、十分に首肯できるホームドラマの特番である。

そういうドラマを何度も楽しみながら、庭でわんこらと遊ぶ。
ほうこんな行動動態をとるのかと、ウオッチングすると、人間様の予期には簡単に合すことはない。
それでも各自が楽しんで、落としどころが見つかると、家に戻ろうかのモードに収束する。
野草たちも、自由にlet it beさせれば、好きなように繁茂し、狭い庭なりの生態系を形成している。
動植物の相互作用のあわいを観察しているとこちらもなごむ。

ファーブルやダ―ウィンがかつて精励して楽しんだワンダーランドを、市井の下々が楽しむことができる時代は悪くない。
楽しめる合間にしっかり楽しむことは、なにはともあれ善きことと思っている。

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