2016年11月2日水曜日

朝のシネマ三昧

youtubeでfollowしている番組が途切れたので、DVDを引っ張り出してシネマ三昧にひたる。

三題噺風に進めると、まず「暗殺者のメロディー」は、トロツキー暗殺を史実に忠実に描いた力作。
アランドロン演じるスターリンの刺客が、似合うこと似合うこと。
何度観ても、スケコマシを演じさせるとピッタリな男だと感心する。
トロツキーの女秘書をロウラクし、トロツキーに私淑してきたが直接に教えを乞いたいとして書き物の添削などを懇請し、しばらくして気を許したトロツキーの頭上にピッケルを降り下ろす
従来からのスターリンの様々な工作を目の当たりにしてきたトロツキーの妻は、ついに殺られてしまったと哀しみつつ夫を看取る。

二作目もアランドロン主役の「太陽がいっぱい」。
著名映画評論家のホモセクシャルものという解釈を念頭に置いてもやはり金持ちのボンボンにいじめの極みを押し付けられた青年のルサンチマン物語という色彩が色濃いと思う。
金持ちのボンボンの彼女をトロツキーの女秘書に置き換えると、アランドロンの演じるキャラクターのさも似たりが実に面白い。

三作目は「カサブランカ」だ。
この主人公もアランドロンとはずいぶんと質感の違った男前だが、三作の〆にはなかなかよい。
ジュリーが歌ったように「ボギー、お前の時代はよかった~♪」といったある種の勧善懲悪、エンタテインメント的政治性が素朴で清々しい。
少しニヒルでロマンチックなハンフリーボガード演じるリックが、愛した女と恋敵のレジスタンス闘士を安全な地に逃がす。
映画では、レジスタンス=素朴正義と描くが、トロツキーを惨殺したスターリンやコミンテルンの息のかかった権謀術策手練れの工作員もいれば、ビシー政府の警察署長やゲシュタポ官僚らの描写も紋切り型で、笑わぬでもなしの面も強い。
それでも、悲恋を政治的お伽噺に絡めてテキパキとテンポよく描いてくれているので、十分に楽しめる。
しかし、スターリンを源流に持つズルシャモのニックネームを持つプーチンに翻弄されつつ漂流しているわが国を思えば、単純にロマンチックを楽しめるわけでもない。

さて、今日も結構寒い朝だ。
朝一で動いて、あとは穴熊作戦でつなごうと思っている。

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