2017年11月5日日曜日

寝ずの番

中島らもさんの落語一門の通夜譚セミノンフィクション。
夜を徹して逝きし人の人生を語る。
映画は、文科省のご推奨を得ているが、猥語ふんだんで年齢制限の異色作品である。

わが寝ずの番は、ちっちゃいチャンで一番チビのクロを思う。
看護介護中にそれなりに眠ったこともあるが、心が彼の回りを離れず、眠る雰囲気にない。
密林で来た「八墓村」を検品しながら、youtubeをBGMに過ごしている。

わんこらは、飼い主と逆に大人しく寝ているが、弔うまで実際の死を直視させているだけに、彼らなりに辛さに耐えている。
やむなく愛する家族を失った人も同じだろう。
人間には、笑う相続人もいたりで、わんこの方が上品と思ったりしている。

クロの残してくれた生きた跡も、必要な整理以外は、手を出せていない。
いなくなったから、さっと片つける気には毛頭ならない。
日にち薬で、少しずつ戻すしかない。

可愛い子と別れるほかないのは、摂理。
いくら愛しても、偕老同穴を誓っても、会えば別れのはじめで、切なさが前提。
自分のできることは、自分が逝くまでのbest effort。

日曜をメメントモリでクロを思う。
たった五ヶ月の命を惜しむ。
限りなく。

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