2017年2月11日土曜日

靖国

まだ配偶者がいた頃、初公開された映画館に観に行った。
事前情報では、中国人監督のプロパガンダだと上映反対を唱える右翼が殴り込みかも?のニュースが流れ、実際にアートシアター系の映画館も少しピリピリしていた。
今から十余年前のことである。

アマゾンでDVDを見つけて、いま久しぶりに見ている。
当時日本政府の補助金が出たくらいの作品で、一見しての中国色は突出させていない。
素材も靖国神社の風景のアラカルトで、右も左もなんでもかんでも忌憚なくフラットに描いている。
しかし、やはり肝では某左傾反日新聞社の如く、旨いプロパガンダを忍び込ませている。
例えば、「南京大虐殺」の斬首写真のショットなどだ。

「南京大虐殺」の幻は、最近ではAPAの社長が、自社ホテルに著作を置いて主張されて話題になっているが、傍証は幻の方に傾く。
当時の記録には、中国側にも、日本側にも、大虐殺を示唆するものは全くない。
蒋介石軍も日本軍と正面からぶつかっていないし、八路軍はそもそも遠くに回避して現場にいない。
20万人の人口の地に、事件があったとされる後で25万人に膨れあがっている。
中国のいうように30万も虐殺があって、人口が膨らむことはありえない。
東京大空襲や広島の原爆禍の後の30万人の被害者となって、あのような惨状写真となる。
中国の当時は、惨禍どころか、非常に整然とした街並みである。
それだけの死者が出れば、死体処理の必要からでも、ドタバタの筈である。
元TBSのアナウンサー鈴木史朗氏は、中国で生まれ、戦後もかの地に赴かれたが、現地の人から当時のエピソードをいくら聞いても、虐殺など全くないことを述べている。

唯一あるとすれば、弁衣兵によるなりすましへの極少数の処刑である。
蒋介石軍は、弁衣兵といって民間人になりすまして軍事行動を取る作戦を行っており、その処遇として処刑はなされた可能性はあるものの、既述のようにマッシブなものは見られていない。
それを中国は、万だ何十万だとデフォルメして恥じない。
内戦で、何千万と虐殺してきた御仁らが、どの口で云っているかのお話ではある。

それにしてもが、映画「靖国」を観ると、日本のゴッタ煮的状況であることがよくわかる。
多分いまも風景はさほど変わらずであろう。
「帰って来たヒトラー」とともに、現代史、現在に興味のある方には、必見の映画ではある。

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